知らないと損をする6つのライセンスまとめ
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最終更新日:2015/12/20
IT一般教養
オープンソースやフリーウェア、フリー素材などが巷に溢れ、それらを利用する機会が増えたわけですが、ライセンスに関わる問題がより身近になってきました。
創作活動をより公正に行う上で必要な情報をまとめてみました。
簡単にまとめると、使おうと思ったリソースが
Apacheライセンスだとラッキー!
BSD、MITならまあ使える
GPLはきびしー!
て感じです。
制約の種類
ライセンスで制約されるのは著作物を使用する上での禁止・許可・義務事項です。
各ライセンスでは何が禁止・許可・義務の対象となっているかを知ることが、理解の近道です。
まずはライセンスでよくあげられる禁止・許可・義務事項についてまとめます。
※ここでは利用する創作物(作品やコード)のことを単にソースと呼びます
- 著作権表示義務
- 改変禁止
- 商用禁止
- ライセンスの継承義務
- 責任の放棄
- 再配布の許可
どっか見えるとこにこういうの↓を表示してね
Copyright© mycode , 2014 All Rights Reserved.
ソースコードの改変やロゴのコラージュはいけません。
営利目的での利用をしないこと
制作物を公開するときのライセンスはソースに適用されているライセンスを引き継いでね。
ソースに商用禁止が求められている場合、制作物も商用利用できません。
ソースを利用することで発生する不利益に関与しません。
ソースを配布することができます。
ライセンスの種類
上記を踏まえて主要なライセンスをまとめます。
上記では分類できない細かな違いもあるので使用のさいは必ず原文に目を通されることをお勧めします。
GPL(GNU General Public License)
著作権表示 | 改変禁止 | 商用禁止 | 継承 |
コピーレフトを「永続的に」保証するよう求めるライセンスです。
- プログラムの利用による被害の責任を作者は負わない。
- ソースコードが読める形で配布する。
- そのプログラムの商用・非商用のいかんによらず再利用、再配布、改変を認める。
- GPLにライセンスされたプログラムを含むプログラムを再配布する場合、このライセンスを必ず継承する。
GPLだと特許も認められないので、プログラムの提供先にソースコードが渡り、その提供先がソースコードを全世界に公開して商売を始める事ができてしまいます。
要するにプロダクトを売ってで商売をする場合はパクられても文句はいいませんってことですね。
オープンソース化によるテクノロジーの発達を最も重要視しているといった感じでしょうか。
ASPやcloudサービスを提供する場合、またAndroidやiPhoneアプリを配布する場合などはソースを公開する義務を誰にどのように果たすべきか、などは特に明記されていないので、保守的な立場を取れば、商用利用しずらいライセンスだと思います。
LGPL(GNU Lesser General Public License)
プログラムにリンクされるライブラリのために作られたライセンス。
要点はwikipediaのこの部分にまとまってある。
MIT License(X11 LicenseまたはX Licenseとも)
BSDをベースに作られた。BSDとほとんど同じで非常にゆるい。
著作権表示 | 改変禁止 | 商用禁止 | 継承 |
BSD License
求められることは、無保証であることの明記、著作権とライセンス条文の表示のみ。GPLと違い、ソースコードの開示やライセンスの継承を求めていないので商用利用しやすいライセンスです。
著作権表示 | 改変禁止 | 商用禁止 | 継承 |
Apache License 2.0
こちらも”BSDスタイルのライセンス”で、使用や頒布、修正、派生版の頒布、ライセンスの継承に関して制限がない。
今回紹介しているライセンスの中ではある意味最も緩く、求められるのはApacheLicenseを使用していることの宣言のみ。
つまり条文の表示も必要なく、例としては下記の文言をクレジットに表記するとよいでしょう。
This software includes the work that is distributed in the Apache License 2.0
著作権表示 | 改変禁止 | 商用禁止 | 継承 |
クリエイティブ・コモンズ(CC)
CCは著作物の適正な再利用の促進を目的として、著作者がみずからの著作物の再利用を許可するという意思表示を手軽に行えるようにしたものです。先に上げたように4種のアイコンの組み合わせで、簡単に再利用時の要件を示すことができます。素材などデザイン関係でよく見かけるライセンスです。
4種のアイコンの組み合わせには2点の制約があります。
・「著作権情報の表示」は必須
・「改変禁止」と「継承」は同時に使用できない
これらを考慮するとCCで規定できるのは6種のみとなります。
その他のライセンス概念
コピーレフト
著作権に対する考え方で、利用・再配布・改変が可能で、著作物の二次配布についても同じライセンスを強制する。
GPLはコピーレフトなライセンスといえるが、二次配布物にライセンスの継承を求めなていないMIT、BSD、Apacheはコピ―レフトでない。
パブリックドメイン
著作物や発明などの知的創作物について、知的財産権が発生していない状態又は消滅した状態のことをいう
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